CONCEPT

こころの筐(katami)に星をあつめて

古来、無限に広がる宇宙と自身との絆を見いだすことは、人類の究極の命題といえましょう。その思想は世界各国に残る古代の文物に記され、文明発祥から今に至る科学技術の原点につながります。
 さて、日本においては、千数百年の歳月を経て現存する“雅楽”の基底にも宇宙との調和が刻み込まれています。現存する世界最古のオーケストラである雅楽を代表する楽器“笙”は、この世のものとも思えないような妙なる響きをもって、天上から射し込む光をあらわします。
 そう、音楽は、星空の如く輝く、壮大な音の宇宙です。
そして今、空間にちりばめられた音と光の渦から、音楽の星座を見いだし、心の筐(かご)に集めとることを意図して、ここに『星筐(ほしがたみ)』プロジェクトの幕が開きます。(東野珠実記)



PROFILE

東野珠実 TAMAMI TONO


国立音楽大学作曲学科首席卒業・有馬賞。慶應義塾大学大学院政策メディア研究科修了・義塾長賞。 ISCM (International Society of Contemporary Music)、ICMC (International Computer Music Conference)、国立劇場作曲コンクール第1 位、文化庁舞台芸術創作奨励特別賞、日本文化芸術奨励賞など国内外にて入賞・受賞。
ヨーロッパ音楽の先端教育を受けつつ、アジア音楽の源流に惹かれ雅楽奏者の道へ。笙の呼吸をもとに描き出す音楽、その音色の計り知れない魅力を科学や技術に照らし、いにしえの音を現代の創造に結びつける取り組みを続ける。笙奏者として、国立劇場、ウィーン楽友協会、カーネギーホールをはじめとする国内外の主要ホールでの雅楽公演に出演のほか、東大寺、泉涌寺、清水寺、明治神宮、白山比咩神社、鶴岡八幡宮、建長寺など日本を代表する寺社にて奏楽。また、ヨーヨー・マ、坂本龍一、今藤政太郎、梅若六郎、山下洋輔、田中泯らに招聘され、古代楽器からコンピュータまでを駆使して、ジャンルを越えた様々な作品を創作。ソロ活動のほか、伶楽舎(雅楽演奏団体)に所属し、古典や正倉院復 元楽器、現代音楽の作曲・演奏に携わる。
平成30年度より国立劇場雅楽声明専門委員を務める。